冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 母さんは、こんな汚い男たちに、何度も“お願いします”と言って頭を下げていた。
 その姿に胸が苦しくなる。

 母さんはああ言っているけれど、実際に返済することなんてできるのだろうか。
 この男たちの目的は一つ、この店を手放すこと。

 父さんと母さん、そして私もこのお店を大切にしている。誇りに思っている。
 けれども、店を手放さなければ、どんどん悪い方向にいってしまう気がした。


「おばちゃん、いったやろ? 二択やって。少しは痛い目見ないと、わからんのやったら……」

 リーゼント頭は、話しながら一歩一歩、私のほうへと近づいてくる。


「嬢ちゃんは、こっちで預からせてもらう」


「は、離してください!」
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