冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「いや、何もないのならいい。それで、俺に何か用なのか?」
「はい。あの、実は……」
副社長は会社にいるときのように、眉間にシワを寄せてはいない。
私服だからかいつもより怖くないのに、近くにいるだけで威圧感が半端ない。
身長差があって、見下ろされているからそう感じるのだろうか。
言いたいことははっきりしているのに、なぜか言葉が出てこない。
副社長の視線が刺さるようにいたく感じて、たまらずうつむいた。
「言いたいことがあるのならはっきりと、簡潔に、5W1Hを意識して言え。先輩に教えてもらわなかったのか?」