冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「いや、何もないのならいい。それで、俺に何か用なのか?」

「はい。あの、実は……」


 副社長は会社にいるときのように、眉間にシワを寄せてはいない。
 私服だからかいつもより怖くないのに、近くにいるだけで威圧感が半端ない。

 身長差があって、見下ろされているからそう感じるのだろうか。
 言いたいことははっきりしているのに、なぜか言葉が出てこない。

 副社長の視線が刺さるようにいたく感じて、たまらずうつむいた。


「言いたいことがあるのならはっきりと、簡潔に、5W1Hを意識して言え。先輩に教えてもらわなかったのか?」


< 47 / 321 >

この作品をシェア

pagetop