冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 まさか副社長本人から【鬼】というフレーズが出てくると思わなくて、驚いて顔をあげると、不敵な笑みを浮かべている彼と目が合った。


 背筋がぞくっとした。真顔のときよりも怖いと思った。鬼というより、まるでゲームのラスボスに出てくる魔王のようにみえた。


「自分がどう呼ばれているかくらい把握している。お前も、この俺のことが怖いのだろう?」

「ち、違います!」


 とっさに否定してしまった。でも、嘘をついたときのような罪の意識を感じないのは、緊張している理由が別にあるからだろう。


「だったら、なぜお前は緊張している?」

「それは……」

 
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