冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「でも、副社長は上司ですし」
「たしかにそうだが、ここは会社じゃない。もっと自然体で接してくれ。こっちまで息が詰まる」
「……わかりました」
と答えておいたが、実際にどんな風に接したらいいのか見当もつかない。
自然体といっても、親や友達と同じようにすれば馴れ馴れしいだろうし。
「まあ、隣にアイドルがいたら、緊張するのも無理ないよな」
「それはもう忘れてください!」
副社長は、余裕めいた笑みを浮かべて「記憶力はいいほうだから、それは難しい」と呟いた。同時に車のエンジンをかけ、ハンドルを握る。駐車場を出ると速度をあげ、都心方面に車を走らせる。