冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「店は手伝わなくても大丈夫なのか？」

「はい、ベテランのパートさんが何人かいるので」

「そうか、安心したよ。店の事情も聞かずに決めてしまったと後悔していたからな」

「副社長でも後悔することがあるんですね」

「……お前、俺を何だと思ってるんだ？」

　しまった、思ったことをそのまま口に出してしまった。
　無礼な言動を詫びるべきだけど、さっきと同じようにすればまた注意を受けてしまう。

　少し考えた結果、「ごめんなさい」とだけ伝えてみた。


「気にするな」

　副社長は微かに笑っていた。失礼なことを言ったのに、さっきよりも機嫌が良さそうに見える。
　もしかして、フランクに接してほしかったのだろうか。