絶対に痩せられるダイエット
「え?あー重かった!

思わずよろけちゃったんだよ」


悪気のない一郎の言葉。


馬鹿にしたような顔のののか。


しかし


時として悪気のない言葉が
人を絶望に追いやることがある。


この時


一郎がなにげなく発した
<重い>という言葉は
なよ子の心にズシンとのしかかった。


なよ子のハート形の心に
無数の釘が突き刺さる。


青ざめるなよ子。


そして笑い転げるののか。


「ははは!そりゃ重いよねー


力持ちの一郎君でもよろけるんだから
相当重たかったんだろうなー」


ののかの言葉を聞いて
取り巻きの女子も笑い転げる。


地獄。


今、自分が立っている
普通のグラウンドが
地獄の砂漠に感じているなよ子。


恥ずかしくてもう耐えられない。


牢獄。


なよ子のナイーブなハートは
たった今


鉄格子の中に
閉じ込められてしまった。



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