絶対に痩せられるダイエット
苦しくなったなよ子は
思わず教室を飛び出した。


学校中に昼ご飯を食べる
幸せそうな笑顔があふれていて
息苦しい。


笑い声とおいしそうな香り。


さんさんと輝くお日様。
幸せなお昼休み。


全てがなよ子にとっては
呪いの対象。


もはや拷問以外の
何物でもない。


「ふしゅるる……」


何を言っているかわからない
謎のため息をついたなよ子は


よろよろと廊下を歩く。


血糖値の低下により
目の前がかすんでいく。


手のひらから
変な汗がにじみ出てくる。


やがてなよ子は
校内の売店の前にたどり着いた。




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