Elevator Girl
え、えーっと。
何だろ、話が、ズレて、……何でこんなことに?


急にがらりと久保のまとってる空気が変わって、どうも落ち着かない。



どうしちゃったの、私。

妙に胸が、くるしいんだけど。




「なあ、杏奈、
いい加減その鈍感やめてくれよ」


久保の瞳が熱っぽく私を見る。

心臓は突然大きく鳴り出して、ろくに息もできない。


久保の右手がぎこちなく頬に触れた。

瞳に私がうつっている。

体は固まったまま、動けない。



「……杏奈」


呟きとともに唇が落ちてきた。

すぐ近いところに久保の睫毛が見える。




「………く、ぼ」


訳が分からず混乱したまま、
名前を呼んだ。                                                                                                              
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