Elevator Girl
         ***

招き入れた後も、彼女は部屋を見渡して、本当に驚いているようだった。

それも仕方がない、

自分がB.C.Building lnc、つまり、彼女の会社の現社長であることを
今までずっと隠していたのだから。


「久堂さんって、…もしかして社…」

「おそらく予想は当たっているな」


そう言うと、彼女は悔しそうに、不満たっぷりに、


久堂さんなんて、…嫌いです

と呟いた。


子供のように拗ねた顔に、思わず頬がゆるむ。

自分が、無意識に気を張っていたことが分かった。



「撤回してくれ。

君に嫌われたら、立ち直れない」








彼女、日向あおいに初めて会ったのは、一年間のエレベーターガール採用試験。



当時は、父親から社長の座を引き継いだばかりで、
以前の生活とのギャップを、まだ受け入れられていなかった。


社長の息子だとは公表せずに、一般社員として働いてきた数年間。


自分の力でどこまで出来るか、試したくて、がむしゃらに努力した。




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