さよならメランコリー
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待ちに待った日曜日。私は待ち合わせの20分前に駅前に着いていた。
友達と遊ぶときはいつもギリギリ間に合う時間に家を出ることが多いけれど、今日は目覚ましが鳴るよりも早くに起きてしまったからずいぶんと時間に余裕があった。
お化粧はナチュラルだけど、学校のときよりは少し濃いめ。いつもより時間をかけたさらさらのストレートヘア。
お気に入りのブーツは可愛いのに三センチヒールで歩きやすいし、先週買ってもらったばかりの薄ピンクのコートは店員さんやお母さんによく似合うねってたくさん褒められた。
コートの中だって私がいちばん好きなコーディネートで、少しも気を抜かない。
「可愛いって、思ってくれるかなあ……」
言葉にして褒めて欲しいだなんて贅沢は言わないから、ただ私をひと目みたその瞬間だけは、私のことを世界でいちばん可愛いと思って欲しい。
とびっきりのオシャレは、あなたのためのようで、私のため。
「トウカ!」
待ち合わせの10分前。駅から出てすぐに私を見つけたコウキくんは、慌てて私に駆け寄ってきてくれる。
「おはよう、コウキくん」
「おっ、おはよトウカ。何分前から待ってくれてた? 俺、遅れたかと思った……」
肩で息をしながら言うコウキくんに私はクスクスと笑った。
待ち合わせ場所は決まっていたとしても、遠くからでも私を見つけてくれたのが嬉しい。走って私のところに来てくれるまでのわずかな時間が幸せだった。
待ちに待った日曜日。私は待ち合わせの20分前に駅前に着いていた。
友達と遊ぶときはいつもギリギリ間に合う時間に家を出ることが多いけれど、今日は目覚ましが鳴るよりも早くに起きてしまったからずいぶんと時間に余裕があった。
お化粧はナチュラルだけど、学校のときよりは少し濃いめ。いつもより時間をかけたさらさらのストレートヘア。
お気に入りのブーツは可愛いのに三センチヒールで歩きやすいし、先週買ってもらったばかりの薄ピンクのコートは店員さんやお母さんによく似合うねってたくさん褒められた。
コートの中だって私がいちばん好きなコーディネートで、少しも気を抜かない。
「可愛いって、思ってくれるかなあ……」
言葉にして褒めて欲しいだなんて贅沢は言わないから、ただ私をひと目みたその瞬間だけは、私のことを世界でいちばん可愛いと思って欲しい。
とびっきりのオシャレは、あなたのためのようで、私のため。
「トウカ!」
待ち合わせの10分前。駅から出てすぐに私を見つけたコウキくんは、慌てて私に駆け寄ってきてくれる。
「おはよう、コウキくん」
「おっ、おはよトウカ。何分前から待ってくれてた? 俺、遅れたかと思った……」
肩で息をしながら言うコウキくんに私はクスクスと笑った。
待ち合わせ場所は決まっていたとしても、遠くからでも私を見つけてくれたのが嬉しい。走って私のところに来てくれるまでのわずかな時間が幸せだった。