初恋
うわ…ぁ。

急に引っ張られたもんだから身体がガクンとなった。

恋(強引だな…。あともう少しペース落として…!)

流石男子。走るスピードが速い。

恋(やば…い。足が…!)

グキっ!!

足が速さについていけず、捻ってしまった。

恋『っ!?』

私の異変に気づいたのか希暉が足を止めた。

希「れんちゃん!?ごめんね!速かった!?」

恋『コクコクッ!!』

った〜。こりゃ盛大に捻っちゃったな。

右の足首を抑えながら痛みを耐える

急に目の前が暗くなった。

希「僕の背中に乗って?」

希暉がおんぶしようとしてくれた。

でも、私は首を横に振った。

しかし、希暉が許すはずもなかった

希「だめー!これ以上悪化しちゃうよ!大人しくはいっ!乗って!強制!」

そして強制的におんぶされることになった。

希暉の背中からの景色は普段とは全然違った。

恋(高っ。希暉、男の娘って感じだけど身長はやっぱり高いんだね。……私にも少し分けて。)

恋『はぁ…。』

思わずため息を漏らした。

希「ねぇねぇ、れんちゃん。」

不意に希暉から名前を呼ばれた。

希「れんちゃん軽すぎじゃない?ちゃんと食べてる?」

毎食欠かさず食べてますとも。
健康に悪いし。

恋『コクッ。』

私は頷いてから指でOKサインを作り希暉に見せた。

希「嘘だぁ〜。じゃあ何でそんな軽いのさ!」

いやいや私に聞かれても困るよ。
< 17 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop