恋の神様におまかせ♪



洗い物を済ませて油良の部屋の前にたつ。


どうか寝てますように!


そう願いながらノックする。


「あっ、はっはい!」


でも中からは珍しく動揺したような声が聞こえた。

起きてる……!


でもノックしちまったし、入るしかないよな……。



ゆっくりドアを開いて中に入る。


ベットの上で、お盆の端に置いてたらしいマスクを広げる油良。


俺は顔を手で覆って強く擦る。



平常心だ俺!平常心!

いくら好きだからって、病人を襲うわけにはいかねぇだろ!



そう心のなかで言い聞かせる。


「食べたか?」


「た、食べた!美味しかったわ!」


マスクの紐を指で弄りながら、窓の外に顔を逸らして俺の目を見ないようにする油良。


……そんなあからさまに意識されたら、




いじめたくなるんだけど。




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