霞村四丁目の郵便屋さん
「これ、昨日帰ってからやってみたんだけど、合ってるかな……」


その英語のプリントは、特別補習という成績上位者に向けて行われた補習のときに使われたもので、俺は先週済ませている。


「うん、これで合ってるよ」

「やった」


たったそれだけのことなのに、みやびはすごくうれしそうに微笑む。


「みやび、成績よさそうだね。将来の目標とかあるの?」


彼女に夢を聞かれて答えなかったくせに、同じ質問を返してしまった。
でも、英語より国語が得意と言った彼女は、英語ですらこれほど呑み込みがいいのだから、おそらく頭がいい。


「うーん。まだ決めてないかな」

「そっか……」


クラスメイトも、将来の目標なんてまだわからないというヤツが多いので、その答えには納得した。

次第に乗客が増えてきて、隣の席に置いておいたカバンを足元に移し替える。
それでも席が埋まってくるとみやびは俺との間に空いていた席を詰めて、隣に座った。
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