霞村四丁目の郵便屋さん
次に飛び出したみやびの言葉を聞いて、背筋に微弱な電流が駆け抜ける。
まるで俺の心の中を覗いたかのような彼女は、やっぱり微笑んでいる。

俺は返事をすることなく、ゆっくりゆっくり彼女の方に足を進めた。

怖くなかったわけじゃない。
でも、彼女がたしかに俺たちと同じ人間であることはさっき肌に触れて確認した。
それに、どこか遥を思い出させるみやびに、興味津々だった。


「瑛太くん」


俺が彼女に近づくと、俺より早く彼女が口を開く。

やっぱりここは、昨日彼女を見失った場所だ。
一番近くにある木に絡まるツタの形を覚えている。


「みやび、あのさ……」

「昨日、見てたよね」

「あっ……いや……うん」


『なにを?』なんてごまかそうかと思ったものの、結局のところ嘘をつくことができなくて、うなずいてしまった。
でも、知っていたんだとハッとした。


「妖精はいないんだけど……」


みやびはそう言ったあと、不意に俺の手首をつかみ森の中に足を踏み入れる。


「みやび?」
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