君が残してくれたもの
しばらく、何も言わないので無言で雑貨を並び替えて在庫を出していると、


「花、好きなの?」

顔を上げると、桜樹はなぜか嬉しそうな顔をしている。


長い指でそっと花に触れた。

消え入りそうなほど、白く中性的な容姿。


さらさらとした髪の毛が開け放した窓から吹く風で揺れる。


「うん…」


目が離せないほど、人を引き込むこんな人、見たことない。


「僕の名前、桜の樹って書くの。生まれるずっとずっと前から俺にはこの名前って決められてたらしいんだけどね」

桜の樹。

確かに、桜のように華やかで儚げで、きれい。


「なずなも花の名前だね」

桜に比べると、なんと質素な…

ピッタリじゃないか!


ママ、もっと他の名前はなかったの…?
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