君が残してくれたもの
翌日。

「おはよ」

声のトーンで気分がわかる。


樹里は眠そうな顔で、上履きを手にする。


「おはよ」

私も、また眠そうな顔で挨拶。


「え?ない!どうして…」


違うクラスの靴箱で、半泣きになってる女子が声を上げる。


樹里と私は同時に視線をそっちに向ける。


「あのこ…バスケ部のマネージャー?」


樹里に尋ねると、


「うん、男子のね。最近、月丘が入ったんだよ、バスケ部に。あのマネージャーの子、結構グイグイ行ってたからね」


そう答えた樹里の顔には『まったく興味ないけど』と顔に書いてる。

全く、この人は…

でも、

「ま、卑怯。以外の何ものでもないね」


そう言ってあきれ顔で、樹里は教室へ向かう。


私もその後ろをついて歩く。


樹里のテキパキとした歩き方を見ながら、この人の上履きがなくなることはないだろうな…と思った。


振り返ると、まだ泣いてるマネージャーの子とその周りで慰める子達。


あっちゃん、上履きがなくなるっていうのは無言の威圧、牽制…

姿が見えないだけに、とっても不気味で不安なことみたいです。



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