君が残してくれたもの
「でも、確か桜の花言葉ってたくさんある中でも、優美とか美麗とか…そんな言葉があったと思う。そういう意味でつけたんじゃない?」


私の言葉に突然スイッチが入ったかのように素早くパッと顔を上げて、


「花言葉?そんなのあるの?」


目をキラキラさせている。

大変…瞳に吸い込まれそう。

瞳の色が私よりまだ薄い茶色。

ビー玉みたいに、なんだか綺麗。


スカートを握りしめる手の力で、吸い込まれまいと踏ん張る。


「花言葉、あまり詳しくはないんだけど。チューリップは思いやり。ユリは純粋、ひまわりは憧れとか…もっと詳しく色々意味はあるみたいだけど。それぞれに花言葉があって、花を贈る時とか結構役立つの」


私の話を興味深そうに相槌を打つ桜樹のしぐさに、思わず笑いそうになる。

花言葉が好きなの?

男の子には珍しいよね…


「私は全然詳しくないから。そのぐらいしかわからないんだけど。あとは、自分で調べてみてね」

そう言って席に着いた。

コクコクと、頷く桜樹になんだか母性本能が発動しそう。

可愛いったら。


「なずなも調べておこうか?」

桜樹の言葉に、

「え?いい、いい。大した意味なんてないよ。食べられちゃうくらいだし」

首を横に振って、笑った。


「食べられるの?」


驚く桜樹の顔。


「おかゆに混ぜて食べられちゃうの」


樹里が横から憐れむような表情で入ってきた。


「私がおかゆにされるわけじゃないんだから。その顔やめてよね」


樹里の肩を軽く叩いた。

桜樹はきょとんとした顔で私と樹里を見た。
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