君が残してくれたもの
「うん、意味ないというか。私、別にスポーツ選手になれるわけじゃないし。家事してる方が意味ある事してる感があって安心するというか」


声のトーンがだんだん小さくなっていく私に、


「意味…か」


桜樹はそうつぶやいて、しばらく黙った。


「この花もさ、誰かが種をまかないと咲かなかったってことだよね」


ガーベラを見ながら、桜樹がぽつりとつぶやいた。


「え?」


桜樹の顔を見ると、風が優しく吹いて桜樹の髪がサラリと揺れる。


「種まきだよ」

「え?」


桜樹の言葉に私はますます困惑する。

桜樹はうんうん頷いているけど。

私は、首をかしげたまま桜樹を見ていた。
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