イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

引きこもっている間、体力は完全に落ちていた。

あたりを二十分も歩けば軽く息が上がる。


(膝が重い……はぁ……胸が苦しい……いつの間にかすっごい疲れやすくなってるし……これは駄目だ。毎日外にでるようにしよう……)


ウニはお年寄りなので、散歩はあんがい短く、自分のこの状況に気が付かなかった。


マンションから百メートルほど離れたところに、桜の木々がずらっと立ち並ぶ水路があった。
都会の中心にかなり近いのだが、周囲には豊かな自然の景色が広がる。

歩く先に移動販売のデリが見えた。


(今日の夜ご飯の一品にでもしようかな?)


なんとなくフラッと停車している車のほうへと向かうと、背の高い外国人の女性がケースの前で、身振り手振りで店員に詰め寄っているのが見えた。


(どうしたのかな……?)


「あー、私、英語はぜんぜんわからないのよー」


店員は六十代くらいだろうか。さっぱりしたショートカットを三角巾でまとめている。
ひどく困った様子だ。


「あ、あの」


余計なお世話かと思ったが、遠子は思い切って声をかける。


< 101 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop