イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
入り口に一番近いソファーに腰を下ろし、バッグからスマホを取り出したところで、
「あれ、遠子?」
と、甘く華やかな声で呼びかけられた。
「あ、シロちゃん!」
そう、声を掛けてきたのは白臣だった。
どこかに出かける前なのだろうか。いつにもましてビシッとした三つ揃いで、ただ立っているだけで華やかなことこの上ない。
遠子がソファーから立ち上がると、白臣がにこやかに微笑みながら近づいてくる。
「久しぶり。元気そうでよかったよ」
「うん、シロちゃんも」
なんだかんだ言って、あのお食事会から一度も顔を合わせてなかったのだ。
「シロちゃん、こないだはごめんね」
一応メールで謝ったのだが、直接言いたいと思っていた遠子は、真面目に頭を下げる。
「いいよ、別に。遠子が謝ることなんかないよ」
白臣はフフッと笑って、遠子を見下ろした。
「それに面白いものも見れたし」
「なに、面白いものって」
「ちょっとだけ怒って、素直なナオ」
「ええっ……?」