イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「ていうか、よくそんなこと覚えてたね」
ちょっと懐かしい気分になる。
「覚えてるよ、俺は。お前のポンコツ脳みそと違って、出来がいいからな。あの公園でも、やめろっていうのにブランコ無理してこいで、落ちただろ」
「いやそれはもう忘れてください、お願いします」
遠子は真顔になって首を振った。
そうだ。
確かに深夜のテンションではしゃいで、ブランコを立ち漕ぎしようとして落ちたのだ。
だがべろべろに酔っぱらっていた遠子は足を滑らせてしまった。
厚手のコートを着ていたから大きな怪我はしなかったけれど、少し手のひらをすりむいた。
当然直倫に、「お前はガキか!」とめちゃくちゃ叱られたことを思い出した。
(私って……直倫にそんなところばっかり見られてるんだな……)
昔から、自慢できるのは勉強ができることくらいなのに、直倫にポンコツと言われると残念ながらそんな気がしてくる。
「ポンコツって、言われなくても実体験としてわかってますよ……」
なんだかんだ言って、いまだに自分でもびっくりするような失敗をするのだから。
少しむくれながらそう言うと、直倫はふっと笑って、そのまま顔を近づけると、てテーブルの上の紙ナプキンを一枚とって遠子の頬をぬぐった。