イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
そう言われれば将来がどうの、今後がどうのと言われたような気がするが――。
それが直倫との再会だとはまったく気が付かなかった。
「それにしても遠子の大きな声、久しぶりに聞いたなぁ。やっぱり直倫くんが相手だと元気が出るんだね」
和美は嬉しそうにニコニコと微笑む。
「元気が出るって……」
大きな声が出るのは、単純に直倫が嫌いだからだ。それだけでそれ以上も以下もない。
「やっぱり和美おじさんの入れる紅茶はうまいな」
そしていつのまにかソファーに座り、真顔で紅茶を飲む直倫にまた沸々と怒りがこみ上げてくる。
(なにのんきに紅茶なんか飲んで……! いや、そうだった……昔から外面だけはよくて、パパとママもこいつのこと気に入ってるんだ…………もう無駄に怒るのはやめよう。こんなことでエネルギーを使うのは馬鹿らしいしっ……)
何度も自分に言い聞かせた後、ふうっと息を吐いた。
「――部屋に戻るから」
「遠子」