イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「お前、無理を通して、ご両親を心配させてたことは理解してるか?」
「それはっ……わかってるけど……」
(さすが直倫。人が強く言い返せないところを突いてくる。性悪だ……)
遠子にほころびが出始めたのはおそらく倒れる半年以上前からだ。
それでも仕事が面白く、そしてなによりも敬愛する高島に認められたくて、寝る間も惜しんで働いていた。
日々帰宅が遅くなる遠子を見て、当然両親は口を挟むようになったが、なんでもないと言い切って、むしろ拒絶した。
心のどこかで心配かけているだろうなと思わないでもなかったが、そのことからは目を逸らしていた。
認められたかった。ただ、恋をしているあの人に、褒めてもらいたかったのだ。
結局無理はいつまでも通らず、遠子は業務中に倒れてしまった。
それから仕事はやめざるを得なくなり、遠子は生きる目標を失ってしまった。
それでも、今日の結婚式は自分的には二千パーセントの力を振り絞って出席したのだ。
そして結婚式が終わったら、またこの傷が癒えるまで、引きこもるつもりだった。
それくらい、失業と失恋のダブルパンチは遠子からすべてのエネルギーを奪っていたのだ。