イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
強引だけれど力づくではない迫り方で、直倫は遠子に近づいてくる。
そしてなにもかも初めての経験で遠子には刺激が強すぎて、完全に直倫の手のひらで転がされている。
(人のことバカにして……っ! 私に経験がないからって上から偉そうにっ……! くそ直倫っ!)
普段なら決して口にしないような言葉で、遠子は心の中で悪態をついて――。
「ううう……」
ぎゅっと閉じた目の端から、涙があふれた。
「トーコ?」
それまで余裕ぶっていた直倫の声色が変わる。
「どうした」
まるで子供に問いかけるように優しい声になった。
「ううっ……」
「泣くなよ」
(いや泣くでしょフツー!!!! もういっぱいいっぱいなんだからっ!)
遠子は心の中でそう叫ぶと、そのまま体を丸めてシクシクと子供のように泣き出してしまった。