イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

「直倫」
「ん?」
「私、あなたと結婚なんて、無理。考えられない」
「どうして」


なぜどうしてと言われるのかわからないが、直倫がなにを考えてるかなんて、知らなくてもいいし知りたくない。


「私、好きな人がいる」


当然脳裏に浮かぶのは、失恋したての高島だ。


(もう百パーセント見込みのない相手だけど……)


高島は今日、愛する女性と結婚し、数か月すればニューヨークだ。
だが彼のことを本気で好きだったのは嘘ではないので、申し訳ないが直倫を拒む言い訳にさせてもらうことにした。


「――誰」
「言いたくない」
「白臣(あきおみ)か」


白臣というのは直倫の兄だ。
直倫と違ってかなり優しい、遠子の三つ上の幼馴染である。

遠子は幼いころ「あきおみ」と上手に呼べず、その時からシロちゃんと呼んでおり、それは大人になった今でも継続している。

ただ、遠子にとって白臣は今も昔も優しいお兄ちゃんのような存在で、恋愛対象ではなかったのだが直倫にそれを説明する気もない。


(なんでシロちゃんが出てくるのよ……まぁ、基本男っ気ゼロだからかもしれないけど)


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