イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「さむい……」
「毛布かけてるだろ」
「でもさむい……もうふ、おもい……くるしい……」
すると隣に直倫が滑り込んでくる気配がして、横を向いて目を閉じる遠子の背後からぴったりと体を重ねた。
「これでいいか?」
「うん……」
ふわふわのバスローブ越しではあるけれど、直倫のぬくもりはすぐに遠子をあたたかく癒す。
(あったかい……)
あれほど苦しかったのが嘘のように、楽になっていた。
「……俺をこんなふうにこき使うのはお前くらいだぞ」
確かに彼の言うとおりだ。
槇直倫といえば、泣く子も黙る一流企業の御曹司で、幼稚園の時点でモテてモテてしょうがなかった、生粋のイケメンハイスペック男子である。
自分なんか、幼馴染でなければ、きっと会話すらできなかった。
(だってブスだし……)
けれど今の直倫は、ブスな幼馴染でもこうやって親切に、ケアをしてくれている。
(顔と頭がいいだけの人ではないんだよね……当然だけど……わかってたけど……ごめんなさい……本当にすみませんでした……)
遠子は心の中で謝りながら、深い眠りに落ちて行った。