イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
それよりも、すぐ目の前に直倫の鎖骨があり、それからたくましい裸の胸が見えて、心臓に悪い。
遠子は涙をふきながら、ゴクリと息を飲んでしまった。
「なにお前、興奮してんの?」
直倫はすっかり目を閉じていて、遠子の顔が見えるはずがないのに、なぜかバレている。
「こっ……興奮なんて、するわけないでしょっ……」
ドキドキしているこの状況は、ある意味興奮しているのかもしれないが、遠子は慌てて否定した。
「俺はしてるけど」
「なっ!?」
「いろいろ見たし」
「いろいろ……」
「お前、胸でかいよな」
「ばかっ!」
顔がカッと熱くなった。
思わず目の前の胸をこぶしで叩くと、直倫は目を開けて、クックッと笑いながらさらに顔を寄せ遠子を包み込むように抱きしめる。
「見ていいんだよ。お前は全部俺のものだし」
「いつからっ!?」
「だから、大昔からだよ……ほら、もういいから、寝ろ……俺も、眠い……」
直倫の大きな手が遠子の後頭部をポンポンを撫でる。
そしてそのまま、さらに体を引き寄せられた。
「おやすみ、トーコ……」
「――おやすみ……なさい……」
相変わらず言いくるめられたような――と同時に、直倫の言葉の何かが引っ掛かったような気がしたが、結局遠子も睡魔に負けて、眠りに落ちていた。