イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
直倫はハァとため息をつくと、スマホをテーブルの上に置いてソファーから立ち上がる。そして冷蔵庫の横に置いてあるティーセットに手を伸ばした。
「紅茶飲むか?」
「あ、うん。飲む」
それから電気ケトルでお湯を沸かし始める直倫の、その背中に小さな声で、問いかけた。
「ねぇ、なんで昨日来たの……?」
「なんでって……お前それ、本気で言ってんの?」
表情はわからないが、少し呆れたような様子である。
「だって……」
遠子は口ごもる。
「――メシでもどうかと思ってお前の家に行ったら、食事会に出かけたと言われた。迎えに行こうかと思って番号を聞いて、かけたら声がおかしかったから、酔ってるなとわかった。そして迎えに行った。それだけだ」
聞いてみれば単純な話だが、昨日はそういう流れだったらしい。
「別に出かけるなとか、お前の行動を縛ろうなんて思ってない。友達とメシを食いたいなら誰の許可もいらない、お前はお前の好きにしていい。だが男は駄目だ。俺がムカつく」
「えっ……」
てっきり酔っぱらったことを叱られると思っていた遠子は、思いもよらない言葉に目を丸くした。