イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
(本当に怒るとおっかないのは、シロちゃんだもん)
「シロちゃん、ゆきだるまつくれる?」
自分のほうを見てくれた白臣に、遠子は目を向ける。
「積もるほど降らないんじゃないかなぁ」
「えーっ! たくさんふったらいいのになー」
唇を尖らせながら、遠子は椅子から飛び降り、窓にぴったりと体を寄せて空を見上げた。
薄い灰色がかった空はいかにも寒そうだ。
「そうだね。そうしたら雪だるま作れるかもしれない」
白臣もヴァイオリンを置いて、遠子の隣に立つ。
「シロちゃん、てぶくろ用意しとかないと」
「しもやけになったりしたら大変だもんね」
そして白臣は、吐く息で白く曇る窓を手のひらでふくと、突然何を思ったのか、そのまま両手で遠子のほっぺを挟んでしまった。
「つめたいっ!」
「アハハ、遠子のほっぺたあったかいな~」
「やだー、シロちゃん、冷たいよ!」
身をよじりながら、遠子は笑う。
そこでようやく、もくもくとピアノを弾いていた直倫が手をとめた。