イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「トーコ、練習は? 教えてくれって言ったのはお前だろ?」
直倫はかなり不機嫌そうだ。
だがその声は遠子に聞こえなかった。
それどころか一生懸命、白臣と楽しそうにはしゃいでいる。
「ねぇ、シロちゃん、てるてるぼうずさかさにしたらいいって聞いた!」
「それは雨がふるおまじないだったような……」
「でも雨が雪になるんじゃないの? ねーっ、いっしょにてるてるぼうずつくろうよ~」
「うん、そうだね……」
白臣はうなずきながら、ちらりと目の端で不機嫌な弟を見つめた、その時。
「トーコッ」
あまりにも大きな苛立った声に、遠子の体はビクッと震えた。
振り返ると直倫が怖い顔で遠子をにらみつけている。
「お前が一緒に練習したいって言ったんだろ! もう知らないからなっ! 白臣とふたりでやればいいよっ!」
「っ……」
そして応接間を飛び出していく直倫。
一瞬で、遠子の大きな目に涙がたまっていく。
「うっ、ううっ……ナオちゃんがおこったぁ……」
「とっ、遠子、大丈夫だよ、あれは……そういうんじゃなくて……ってか、僕もちょっとナオに意地悪してしまったというか……」
「うわぁぁんっ、ナオちゃぁーん! 待って~っ!」