僕に、恋してみたら?


「それじゃあ……お言葉に甘えて、もう少し、雨宿りさせてもらおうかな」


いいのかな。

柳くんに……こんなに甘えても。


「なにしよっか?」

柳くんの隣に座り、柳くんの顔色をうかがう。

柳くんは、休みの日にいつもどんなことをしているのかな。ちょっと興味ある。


「お前……」

「ん?」

「やっぱ、無防備すぎ」

柳くんが、ため息をつく。


「他の男の前で……、こんなことすんなよ?」

「……う、うん」

「ほんとにわかってんのかね」

「……うん?」

「ったく。いいか、適当にくつろいでろ。冷蔵庫の中のもの飲んだり、見たいテレビ番組見たり。映画見放題とかのチャンネルあるし」

「え、それなら一緒に見ようよ」

「俺は今から、頭の中で数式を解き始める」

「は? 勉強するの?」

「でなきゃ、また過ちを犯してしまいそうだから。……これ以上お前に嫌われたくねーし」

「……!!」


そこまで言われて、ようやく柳くんの言葉の意味に気づいた。


「ねぇ、柳くん」

「あ?」

「それってわたしに……ムラムラするってこと?」

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