僕に、恋してみたら?
「柳くん、雰囲気変わったよね」
ユカリがつぶやく。
「そうかな?」
「なんか男らしくなったというか」
「うちから見れば、相変わらず優等生くんだけどねぇ」
変わったんじゃないよ、ボロがでたんだよ……なんてことは言えない。
更衣室から出て教室へ戻る途中――前方から女子たちの騒ぐ声が聞こえてきた。
「あ、水上先輩じゃん」
最初に気づいたのはユカリ。
ユカリは背がすらりと高いので、チビであるわたしが見えない範囲も容易く見ることができる。
先輩がそこにいるの……?
そう思うと、気持ちが舞い上がる。
だんだん人だかりに近づいて、ようやく先輩の姿を確認することができた。
「ヤバいね。美しすぎる」
「雲の上の人だ」
サナもアキナも、あたりの女子もみんな先輩を凝視する。
更衣室は体育館と同じ建物にあって、食堂や自販機もそこにある。
今は昼休みに入ったばかり。
ご飯、食べに来たのかな。
先輩は女の子とばかりいるイメージがあったから、男子生徒2人と一緒にいるところを見るのは、なんだか新鮮だ。