僕に、恋してみたら?


照れますとも。

女の子にすら、見られるの嫌なのに。

体育のとき、わたしがどれだけコソコソ着替えていると思っているの?


「……終わったよ」

「はやいね」


嫌なことははやく済ませたいたちでして。

はやく着替えるのは得意だ。


みんなみたいに、あれば……。

人並みに膨らんでいれば、ここまで嫌じゃないと思う。

むしろ、桃惟にだったら喜んで見せるだろう。


「まだ気にしてるんだ?」

「……!!」


椅子にかけたままこっちを振り返った桃惟は、わたしを少し上目遣いで見ている。


「そりゃ……まぁ」

「可愛い」

「な、なんでもかんでも可愛いって言いすぎ」

「仕方ないじゃん。可愛いんだから」

「……っ、」

「僕は、どんな茉帆も好きだよ。ぺったんこでも、急成長したとしても、どっちでも」

「そうなの……?」


そういえば、柳くんも、言っていたっけ。

胸で好きになるわけじゃない……みたいなことを。


「茉帆だったら、どっちでもいいよ」


本当に?


「そ、そっか」

「さてと。ご飯、食べに行こうか」

「うんっ」






< 258 / 288 >

この作品をシェア

pagetop