僕に、恋してみたら?


たこ焼きに、タコ以外の具を入れるなど想像しがたい。


「なにを入れたの?」

「ツナ缶とか、ウインナーとか……それにチーズトッピングしたり。案外いけたよ」


美味しそうかも。

でも、それよりわたしは、


「あの、くるくるまわすやつ……やってみたいな」


あんなにまんまるに焼けるって凄いよね。もはや職人技だ。


「今度やってみる?」

「やりたい……!」

「なら、夏休みにでもやろうよ。アキナちゃんとか誘って大勢で」

「いいね!」


パーティーか。なんだか、わくわくする。


「ロシアンたこ焼きもしようよ」

「ロシアン、たこ焼き……?」


なにそれ。ロシア風のたこ焼き?


「美味しいの?」

「はは。美味しいなんてもんじゃないよ」

「え?」

「たとえば、このたこ焼きの中の1つにだけ……」
と桃惟の視線が手元のたこ焼きへとうつる。


1つにだけ……?


「タバスコが入っていたとして。それを食べた人が負けって感じのゲーム」

「た、タバスコ……って辛いやつじゃない?」

「そう」

「えぇ!? そんなのやだよ!」

「茉帆はリアクションごまかせないから、すぐにハズレ引いたってバレそうだね」


いやいや、笑っている場合じゃないよ。

そんなことをしてせっかくのたこ焼きが台無しになるなんて、悲しすぎるよ!?




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