僕に、恋してみたら?


「美味しいやつだけ、食べたい」

「それじゃあタバスコ入りは悠汰のに仕込むか。あいつ、どんな反応するかな」
と悪い顔して笑う桃惟。


「だ、だめ! そんなのかわいそう」

「そう? 盛り上がりそうだけど」

「桃惟って、たまに意地悪だよね」

「そんなことないよ。あいつとは、結構仲いいんだけど。もっと親睦を深めるにはいいかなと思って」


そんなことしたら逆に恨まれそうだよ。


「桃惟って中学の頃から柳くんと知り合いだった?」

「うん。もっと昔からね」


それもそうか。同じマンションなら、小学校から顔見知りかな?


「それじゃあ、柳くんのヤンキー時代知ってるんだ」

「そうだね」

「柳くん言ってたの。〝見た目で損してきた〟って……」

「…………」

「あれ、どういう意味だったのかな」

「詳しくは僕の口から言えないけど、不良グループとひと悶着あったみたいだね」

「ひと悶着……」

「これだけは言えるよ。悠汰は悪いことはしてない」

「それは……うん、柳くんは悪いことはしないよ!」

「校則やぶって髪染めたりはしてたけどね。試合とかあると黒く髪を染めてたんだけど、それがまた怖がられてたっけ」

「信じられない。あの柳くんが恐れられてたとか」

「高校では猫かぶってるもんねぇ。それも、崩れてきてるけど」


ブラック柳だ。


「今の柳くんなら、たとえ怖そうなオーラが出ようが人望も厚いし大丈夫だよね?」

「そうだね。環境もいいみたいだし」

「だったらよかった」

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