僕に、恋してみたら?


「あーん」


――!


最後のひとつを、口に強引に入れられた。


「……やっぱり悠汰には、タバスコ入り食わせる」

そんなことをつぶやく桃惟に「え!?」と驚いたが、口にたこ焼きが入っていたので声には出せなかった。

買ってから少し時間が経過していたのもあって、アツアツでなくちょうどいい具合にさめている。美味しい。

周囲には学祭を楽しむ生徒たち。

なんか、わたし今、青春してますって感じだ。

まさかこんな日が訪れるとは、思ってもみなかった。


それにしても、もう夏休みか。週明けには終業式がある。

毎年引きこもって宿題をしているうちに終わるけれど、今年は一味違う。

だって、桃惟と過ごせるから。

……といっても、桃惟は受験生だから忙しいかな。


「一緒に宿題したり、したいな」
やっとたこ焼きを飲み込んで話せるようになったわたしの、第一声。

「宿題?」

「夏休みの課題。たくさん出たから」

「喜んで」


やったぁ!!

と、心の中で大きくガッツポーズする。


「も、もちろん、桃惟の勉強の邪魔にならない範囲で」

「邪魔になんてならないよ」

「ほんと?」

「ただ、一緒に勉強して、はかどるかどうかは……保証できないけどね?」

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