死にたがりは恋をする
 ザアアアアァァァァッ!

 僕がそう言ったときには、すでに土砂降りだった。

「お、おう」

「な、なんかゴメンね。俺達見に来ただけなのに」

 雨矢は驚きを隠せないというか、むしろそう言われた事すら滅多に無いんだろう。ポカーンと口を開けたまま、中に居るカイトの方を見ている。一方、アクトの方は申し訳なさそうな顔をしながら肩をすくませ、微笑しながらカイトをみていた。

「ううん、本当に、僕に非があるから」

 実際自分に非があるのは確かだが、申し訳なさそうにしているのを見ていると、余計に申し訳なく成ってくる。

「おじゃましま~す」

 アクトはなぜかクスッと笑って入ってきた。

「あ、ちょっと待てー!!」

 雨矢もそれに続く。

 雨矢はこうゆうことに慣れていないからか、オドオドとしていた。まぁ、愛情を貰えない同士としては、それは良く解るが。それにしても、少しオドオドしすぎなのではと思うくらい、オドオドしているのだが。そのうえ顔も赤いしまるで好きな人の家に行くような、そんな照れ方なのだが。

 そういえば、この前、雨矢は僕のことを__

 __好き と言った。

 __でも僕は分からないんだ。

 『好き』の意味が。

 欲しいという意味の好き。
 友人に向かっての友情の好き。
 自分の好みの好き。
 恋人に対する愛情の好き。
 自分の言うことに従うことを喜ぶ好き。

 僕は、良く分からないんだ。

 __だって、僕は無力だから。
< 19 / 20 >

この作品をシェア

pagetop