死にたがりは恋をする
 {教室}                               

 はぁ、今日もこんな一日になるのか__

 クラスに入ろうが状況はいい方向に変わらないのが事実だ。そのままか、悪化するかしかない。まぁ、カイトの場合は悪化するのが通常だ。

 おはよう、と言うのが日課なので、カイトも仕方なく__

「おはよう」

 そういった。

 クラスには、右後ろから横、そして前へ大西錬、橋本竜也、杯七海、斎藤正真、錦庸介、中川恭子、坂井則、仲澤勇気、河西林名、界応凪、萩原星人、吊橋浄、石井操助、などがいた。

 大西と橋本、萩原、斎藤は後ろの席に集まって群れており、それを杯、中川、河西達がキャーキャー言って見ていた。

 __なんで女子はこう、内面に気付かないのだろう。こいつらは、実際は善人面してる、イジメなんてする、すっごい悪い奴らなのにね。まぁ、そんなことを言ったら、あの女子達も、見て見ぬ振りをする、第三者面した悪人に成っちゃうんだけどね。

 当然、挨拶をしたが振り向けば目を逸らして終わりだ。

 きっと、第三者の方からすれば、仲間を欲しがっている、とか、自分以外にイジメられる人を作ろうとしている、など、自分の思うがままに考えているに違いない。実際、ただ挨拶をしただけだから、別にそういう下心がある訳ではないのだが、人間というのは単純で、自分の好き勝手考える習性がある。

 もし自分が第三者だったら、きっと「助ける」だなんて好き勝手言っといて、巻き込まれたくなくて、何もしないで「イジメているやつが悪い」とかいう正論を並べたくるんだろう。

      ・ ・
 __僕も人間なのだから、当たり前なんだ。

「おはよう」
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