お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


自分でも目を輝かせている自覚があるほど。




ほんっと、夏奈ちゃんありがとう!!

きっと、あのままだったらかき氷を諦めていただろうから。



早く食べたい気持ちを抑えながら、心なしか早足で歩く。



かき氷が溶けちゃう前に、神社のところに行かないと。



そしたら、夏奈ちゃんに、お礼の気持ちをこめてかき氷を一口あげよう。





─────なんて、浮ついたことを考えていて足元を見ていなかったから。




「ひゃっ!?」




地面に転がっていた小石に気づかずに、つまずいてしまった。


幸い、転ばずに済んだけれど………




かき氷も零さなかったみたいだし、よかった…。




何事もなくて、ほっとして、“これからはちゃんと足元に気をつけながら歩こう” と心に誓いながら足元に向けていた顔を上げて………、








「………っ、みっくん…………?」







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