お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
そんな私を、少しよろけながらも受け止めてくれた夏奈ちゃん。
そして、よしよし、と言うように頭を撫でてくれる。
「………あのね、」
そうしているうちに自然と口が開いて。
気づけば全部、夏奈ちゃんに話していた。
かき氷を買って、神社に向かおうとしたこと。
そしたら、みっくんを見かけたこと。
みっくんは香音ちゃんといたこと。
なぜかモヤモヤしたこと。
それから見たこと、思ったこと全部。
うまく言葉にできない気持ちも全部、次から次へとほろほろ落ちていく。
「……わたし、きっとワガママなんだよ」
「それまたなんで?」
「……だって、さっきからずっと、みっくんを独り占めしたい、なんてこと考えて、止まんなくて────」
でも、そんなのできっこないって。
頭ではちゃんとわかってるのに。
「もう、自分で自分がわからなくなっちゃった………っ」
全部吐き出して、
また湧き出てきた涙を目の淵に溜める。
そんな私を見た夏奈ちゃんが、少し黙ってからおそるおそる口を開いた。
「ねぇ、ひまり」
「………?」