お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
結果からいうと、やっぱり私の足の速さじゃ運動部でかためてきているクラスには適わなくて、
でも、今日はミスはしなかった。
なんとか最下位はまぬがれた……という次第で。
でも、チームメイトのみんなは笑顔で労ってくれて、 “ありがとう” なんてもったいない言葉までもらっちゃって。
結局、リレー走ってよかったなぁ、って今では思っている。
だけど、
「今日頑張れたのは、みっくんのおかげだよ」
「は、俺?」
とぼけた顔を見せるみっくん。
……無自覚ってタチが悪いと思う。
「昨日、くじけそうな私に “頑張れば” って励ましてくれたから」
だから、頑張れたんだ。
走る直前、緊張のボルテージが極限まであがって、『やっぱり無理かも…』と諦めかけたとき
たしかに、聞こえたんだ。
『まぁ………頑張れば?』
『頑張れば、応援してやらないこともないけど』
って。
昨日、みっくんがくれた言葉が。
「だから、ぜんぶ、みっくんのおかげ。ありがとう」
「……まぁ、どういたしまして」
どこかぎこちなく答えたみっくんに、ふと疑問が湧いてくる。