お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*
*

コトは体育祭の日に遡る。




体育祭の最終種目、男子4×100mリレー。


別に自分から立候補したワケじゃないけれど、利樹をはじめとする大勢の推薦があってか、アンカーを任されていた。




『光希頑張れよ!』


『わかってるって』




利樹に言われなくても、まぁクラスに貢献できる程度には頑張るつもりだ。



そんな俺の頭の裏を駆け巡ったのは、




『みっくん!!リレー頑張ってねっ!!』




ついさっき、アイツに後ろから投げかけられた声援。



アイツのことは嫌いなはずなのに、
応援の言葉は、そんなに嫌じゃなかった。




むしろ………いや、なんでもない。

嬉しかった、なんて死んでも言ってなんかやらねー。




こうやって、ふとしたときにアイツのことを思い出すことなんてよくある。


あー、うざ。




ぶんぶん、と首を横に振って頭からアイツの影を消した。




集中集中………。




今、余計なことを考えてるヒマなんてない。




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