お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
それをひた隠しにするように、
また口を開いて。
「どうでもいい」
言い放った言葉はやっぱり冷えきっていて。
“どうでもいい” なんて真っ赤な嘘だということを証明している。
俺のそんな声に利樹は、ハッと俺の顔を見て、それから眉間に皺を寄せて。
「どうでもいいって顔じゃねーけど?」
「っ、」
「なぁ、光希。おまえ、ひまりちゃんと何かあるだろ?」
「別に…何も、」
「誤魔化すんならもっと上手くやれよ。俺は中途半端に知ったことを放っておいてやれるほど優しくない」
利樹らしくない………けど、利樹らしいともいえる言い方。
別にどうしても隠しておきたいわけじゃない。そう思って利樹を見て。
「アイツとは………ただの幼なじみだよ」
自分で発した言葉にデジャヴを感じて。
チカチカと頭の中でハレーションを起こしたのは、体育祭の日のある一幕だった。
『浅野の方が、アイツに気があるんだと思う』
それは、俺がそのことに気づかされるに至ったいきさつ。