お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
だけど、準備が進んでいくうちにノリノリになって来て。
今ではもう、実行委員ばりの力の入りようだ。
そんな夏奈ちゃんの頭からは白ウサギの耳がぴょこん、と生えている。
元々スタイルがいい夏奈ちゃんは、メイド服だってバッチリ着こなしているけれど、
ショートカットで快活な夏奈ちゃんのうさ耳も、ギャップでこれまた大反響。
「………せめて、夏奈ちゃんみたいだったらなぁ…」
着替える時にも思ったことを、
ぽつり、と呟くと。
夏奈ちゃんが私の肩をぽん、と叩いた。
「だから、ひまりも自信持ちなって言ってるじゃん!すっごく可愛いんだから!……それに、棚橋くんも来てくれるんでしょ?」
今日はもう、文化祭当日。
………そう、実は5日前。
『俺、おまえのクラス行くから』
クラスの作業で、ダンボールを取りに行って、みっくんに助けてもらったあと。