お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
なぜかみっくんに、うちのクラスの模擬店に来る宣言をされ。
確かに、完全無視して避けられるよりはいいかもしれないけど……
「このカッコ見られるとか、恥ずかしすぎて倒れそう………っ!」
へたりとしゃがみ込む。
ほんとにダメ。
衣装が可愛いすぎるから余計に、似合ってないとか思われるのは辛い……!
でも。
恥ずかしくてイヤだって思う反面、ちょっとホッとしたりもして。
ダンボール取りに行ったときもそうだけど、最近、みっくんが優しくなった気がする。
優しくなった、っていうより、昔みたいに戻ってきたって言うほうが正しいかな。
少し前だったら、私とは口さえも聞いてくれなかったけれど、最近はみっくんから話しかけてくれたり。
それは、他の人が聞いたら大したことないって思うと思うけど、私にとってはすごく嬉しいことだ。
「ひまりちゃーんっ!!もうすぐ始まるから来て〜!」
悶々としている私を、クラスメイトの女の子が呼んで。
みっくんが来てくれることに、嬉しい反面見られたくないという複雑な気持ちを抱えながら、自分の持ち場へと向かった。