お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「やっ……!」
思わず振り払うように腕を強く動かすけど、振り払えるわけもなく。
余計に煽ってしまったようで。
「抵抗したってムダだと思うけど?」
私の腕を掴んでいる方とは逆の手の指先が、フリルのスカートの裾にかかる。
やだっ、怖い………っ!
じわりと涙が滲んで、体がこわばって、為す術もなくぎゅっと目をつぶった。
恐怖心で足が震えた、そのとき。
「なあ、何してるわけ?」
氷のような声が、制した。
おそるおそる、瞼を持ち上げる。
「別に……」
言いよどむ男の子と私の間に立ち塞がったのは、バトラーの服装をした翔太くんだった。
助けが来てくれたことに、安心して、力がふっと抜ける。
「それ、痴漢だからね?」
翔太くんが、私のスカートの裾にかけられた指を指して力強く言う。
「チッ………勝手に言ってろよバーカ!!」
男の子はパッと手を離したかと思えば、風のように走り去っていった。
私はといえば、呆然と立ち尽くしていて。
そんな私の顔を、翔太くんが覗き込む。