お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
ちらり、ともう一度右隣を見ると、今度は美結ちゃんがバスに乗り込むのが見えた。
あ……美結ちゃんも、一緒なんだ。
みっくんに合わせた……のかな。
たぶん、そうだよね。
一緒に買い物に行くほど仲がいいんだから……。
「ひまり?どしたの、浮かない顔して」
「……あ!ごめっ……なんでもない!」
夏奈ちゃんの声にはっとして、バスの指定された席に座った。
もちろん、夏奈ちゃんの隣だよ。
………にしても、そんなに浮かない顔してたかなぁ、私。
……きっと、美結ちゃんが羨ましいんだ。
プラネタリウムを選べばよかったって、一瞬思っちゃったんだもん。
それが、顔に出たのかも。
「はっ、ダメダメ!」
自分の頬をぱちんと叩いて、首を横に振った。
せっかくの臨海学校なんだし、楽しまなくっちゃ!
寂しい気持ちになってる場合じゃないよ!
自分にそう言い聞かせて、むんっと小さくガッツポーズを決めると、夏奈ちゃんはきょとん、とした顔で私をのぞきこんでいた。
*
「わー!綺麗……!」
思わず声が漏れた。