あまりさんののっぴきならない事情
 




 朝の妙な男はなんだったんだろうな。

 スタッフルームで休憩していた成田がそんなことを考えていたら、あまりが、
「お疲れさまですー」
と帰ってきた。

「お疲れ」
と読むでもなく広げていた雑誌から目を上げると、あまりは微笑み返し、奥のロッカールームに入っていく。

 アコーディオンカーテンを閉めて、着替え始めたようだ。

 ……音は丸聞こえだから、なんか照れるな、と思っていると、中から、ゴンッとすごい音が聞こえてきた。

 なんだ!? と振り返る。

 しかし、特にその後、なにも聞こえては来なかった。

 い、生きてるかっ、あまりっ? と思いながら、横目にまだ残っていた、まかないのスープを見、
「あまり」
と呼びかけてみる。

 はい、とあまりが顔を出した。

 どうやら、もう着替え終わっていたようだ。

 残念なような……

 いやいやいや、と思いながら、

「昼、食べたか?
 まかない残ってるぞ」
と訊くと、食べると言うので、温めてやった。
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