あまりさんののっぴきならない事情
 ……美味しい。

 でも、なにか釈然としない。

 サクサクふかふかのパンを見ながらあまりは呟いていた。

「昨日、おかしな夢を見たんですよ……」

 しばらく間を置いて、こらえきれなくなったように、海里が吹き出した。

「ああっ。
 やっぱり、夢じゃなかったんですねっ」

 海里は笑いながら、
「だって、お前、自分であんな夢を見るなんて相当な淫乱だぞ」
と言ってくる。

「まあまあ。
 今日も風呂磨いてやるから」
と言う海里にいじけたように、

「そうそう毎日汚れませんよ……」
と呟いた。

 不本意ながらも、それなり楽しい朝食だった。






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