あまりさんののっぴきならない事情
 いや……なんでなんでしょうね。

 なんだか年がら年中、愛を囁くついでのようにプロポーズしてくるので、何処で返事をしていいのか、わからなくなっているだけなんですが……。

「お昼、ご希望でしたら、一緒に配達しますよ。
 朝までにお電話いただければ」

「あら、そうなの?
 何人分まで大丈夫?」
と詳しく訊いてくる秋月と話していると、桜田が現れた。

「あまりさん、今日はそれで行くんですか?」
と落ち着いた桜色のワンピースを着たあまりに訊いてくる。

「一応、そうしようかなと思って」
と言うと、

「あまりさんって、いつも女子力高い服が多いですよね」
と笑う。

 いや、これは大崎さんの見立てだし。

 男なのに、女子力高いからな、あの人……と思っていると、後ろから、海里の声がした。

「服の女子力が高いだけで、あまりが高いわけじゃないからな」

 ははは、と秋月と、服も中身も女子力の高い桜田が笑う。

 いいですよ。
 怒りませんよ。

 今日は楽しい旅行ですからね~と思いながらも、ちょっと膨れて、
「はい」
と海里にバスケットを突き出したが、海里は何故か笑っていた。







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